Rable de lièvre à la Royale,
palets de betterave dans une mélasse et compotée de chou rouge aux pommes
第56回 現代フランス料理技術特別講習
講師:ルノー・オージエ氏
リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル(野ウサギの王家風)はジビエ料理の最高峰といわれています。準備や煮込みなどにとても時間がかかる、ノウサギの中に豚肉やフォアグラを詰めた伝統料理。それを今回は圧力鍋を使い、通常より短い時間でルノーシェフは仕上げました。もちろん、臭みが強い野ウサギはコニャックや野菜などでマリネをしたり、食べやすくするためのmise en place(下ごしらえ)は何日か前に行っております。
肉を柔らかくするために長時間煮込み・・・という伝統的な技法ではなく、圧力鍋で短時間で仕上げましたが、味も柔らかさも抜群。ノウサギ=ジビエは期間限定の素材。しかも自然の動物なので、捕れなければ調理することもできません。レストランでメニューとして出せる時期も限られてますが、講習会のメニューとしてもこの時期だからこそ出せたメニューでした。そして、ソースの赤紫とガルニチュールの赤紫を合わせた洗練されたプレゼンテーションはオージエシェフならでは。
実は、これは2019年シェフがM.O.F.の最終試験を受けた時に作ったメニューで、課題は野ウサギ、1匹丸々試験会場で渡されたとか。M.O.F.の最終試験は2週間ほど前にテーマが通知され、5時間以内にその他3つの課題と共に作成し、最終試験に臨んだ36人中7名が合格したそうです。
野うさぎ
今回は講習10日前に青森で捕獲された白い野ウサギを使用いたしました。
野ウサギは北東北と北海道を中心に限られた地域で少量捕獲されます。猟期は11月下旬から2月までで、雪の上に足跡がつくと探しやすいため雪の降る季節になると捕獲しやすくなります。運動量が多いため脂がよくのっており、赤身で大変美味です。
狩猟後すぐに冷凍保存され、新鮮な状態で講習会前日に到着。受講生の皆様の前でシェフ自らさばきました。毛と頭以外、血も内臓もすべて余すことなく使い煮込み、シェフの技術もたっぷりと味わうことができました。
砂糖(さとうきび100%)
大日本明治製糖「石垣島のおいしいお砂糖」を使用。
美しい自然がいっぱいの石垣島で栽培されたサトウキビ100%で作られています。
石垣島では野菜や果物、肉用牛など多様な農畜産物が生産されていますが、その中でもサトウキビは島の耕地面積の約半分に作付けされています。まぶしい太陽の下、澄んだ空気の中でのびのびと育ったサトウキビです。
サトウキビの持つ本来の風味を生かして作られており、すっきりした甘さと絶妙な風味とコクのある上品な甘さが味わえます。また粒子が細かくて溶けやすく、用途を選ばない使いやすさがあります。
今回は、ガルニチュールのベトラーブグラッセの味付けに使用し、ベトラーヴが持つ優しい甘さにコクをプラスいたしました。
2015~2017年、3年連続モンドセレクション金賞受賞。
協賛会社:大日本明治製糖株式会社
コニャック(ソース使用)
ボージュ コニャック V.S.O.P. 40゜を使用。
最低4年以上の熟成を経たものにしか用いることのできない名称がV.S.O.P.です。
厳しい規格と長期の熟成が生み出す芳醇にして気品ある深い香りの絶品のコニャック。
ノウサギの臭みを消すために漬け込んだりと、赤ワインと共にこのお料理には欠かせないお酒です。
「料理を美味しくするためには、いいお酒を使わないと!」というオージエシェフのコメントです。 マリネのために、ソースのために、たっぷりと使用いたしました。
協賛会社:ドーバー洋酒貿易株式会社