2011 PRIX CULINAIRE <LE TAITTINGER> 45

第45回 <ル・テタンジェ>国際料理賞
コンクール・ジャポン2011
最終審査結果

45ème PRIX CULINAIRE INTERNATIONAL LE « TAITTINGER »

第45回 <ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・ジャポン2011 最終審査結果

コンクール・ジャポンの第1次審査(書類選考)は8月3日に行われ、全国から8名が選ばれ、東京調理師専門学校(新宿)で9月6日に行われた最終審査(ファイナル実技審査)に臨みました。

8名の参加者は2点の料理を5時間で制作し、コンクール・ジャポン最終審査は<ル・テタンジェ・コンクール>国際規約にのっとって行われました。

コンクールの規則は、パリ、ブールヴァール・マジェンタ156番地 法廷執行官 ポーペール・リエヴァン事務所に提出されており、ポーペール・リエヴァン氏がコンクールの合法性を監視するものであります。

受賞者

優勝

鎌田 英基

帝国ホテル東京

2位

國木 健太

阪急阪神ホテルズ 新阪急ホテルアネックス・大阪府

3位

古屋 豊樹

ウエスティンホテル東京・東京都

テーマ

1. 第1次審査(書類選考)に提出したオリジナル・ルセット

4 beaux Pigeons au sang(de 500g et plus)
accompagnés de 3 garnitures libres
un jus ou une sauce servi(e) en saucière à part
la totalité des cœurs et foies des pigeons doivent être utilisés
(au choix:dans la sauce,dans garniture ou dans la farce)
Dressé sur un seul plat rectangulaire 40×60 cm (environ)

ピジョノー・オ・サン4羽(エトゥフェ、1羽400g)
3種のガルニチュール(自由選択)
ソーシエールに入れた、1種のソース又は1種のジュを添える
ソース又はガルニチュール又はファルスのいずれか1つにフォワと心臓を必ず使うこと

*料理の盛付け:自由、長方形のプラター(約60×40cm)に盛りつけること。
(4羽のうち、2羽はアンティエールで出し、残りの2羽はカットするしないは自由とする)
*調理に際し、コンベクションオーブンは使用出来ない

2. 課題ルセット

ウフ・グリエ・ア・ラ・ディアブル

*作り方はギッド・キュリネール(エスコフィエ)に準じます。

実技試験当日、ルセットを発表した

コンクール・ジャポン最終審査結果は、シャンパーニュ・テタンジェ社取締役輸出部長クロヴィス・テタンジェ氏同席のもとに9月6日六本木ヒルズクラブで行われた発表式で発表され、以下の授与が執り行われました。

コンクール・ジャポンの賞

優勝者

第1位のディプロム、第1位のカップ、
シャンパーニュ・テタンジェ(マチュザレム)
副賞として2,400ユーロ相当の小切手

第2位

第2位のディプロム、第2位のカップ、
シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

第3位

第3位のディプロム、第3位のカップ、
シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

ファイナル実技審査の出場者で
第1位~3位以外の者全員に、
第45回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・
ジャポンのファイナリストを証明するディプロム、
シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

最終審査(ファイナル実技審査)に望んだ
8名のリスト

今城 浩二帝国ホテル大阪(大阪府)
落合 富雄和歌山マリーナシティロイヤルパインズ(和歌山県)
鎌田 英基帝国ホテル東京(東京都)
國木 健太セルリアンタワー東急ホテル (東京都)
橋田 寛フレンチレストラン ドゥース・グー(京都府)
浜田 統之ホテルブレストンコート(長野県)
増原 辰朗ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都)
古屋 豊樹ウェスティンホテル東京(東京都)

ル・テタンジェ国際料理賞
コンクール・ジャポン審査委員

審査委員長

堀田 大(株)マンジュトゥー代表取締役
1984年、<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール(パリ)に、
日本人として初めて参加しグラン・プリを獲得

実技選考委員

伊佐 武二日本平ホテル グループ統括顧問
岸 義明ホテルインターコンチネンタル東京ベイ 執行役員 総料理長
田中 健一郎帝国ホテル東京 専務執行役員 総料理長
中村 勝宏ホテルメトロポリタンエドモンド 名誉総料理長
福田 順彦セルリアンタワー東急ホテル 副総支配人 総料理長
善養寺 明ホテルオークラ東京 執行役員 洋食調理総料理長
外山 勇雄東京會舘常務取締役総料理長
大溝 隆夫レストラン・ボルドー 代表取締役 料理長
ベルナール・アンクティルフレンチF&B株式会社 料理営業部長
フィリップ・バットンレストラン プチ・トノー 代表取締役
マチュー・トサックGourmet consulting 代表取締役
ドミニク・コルビフレンチ割烹 オーナーシェフ
ルノー・オジェホテルニューオータニ トゥールダルジャン シェフ
石井 剛レストラン モノリス オーナーシェフ
吉田 功ザ・プリンスパークタワー東京レストランブリーズヴェール シェフ
工藤 雅克(株)ミリアルリゾートホテルズ ディズニーアンバサダーホテル レストラン調理課長

書類選考委員

加賀 和広ホテル椿山荘東京 執行役員総料理長 兼 人事グループ料理料飲サービス指導部門管掌
市川 博史京王プラザホテル 取締役 総料理長
沼尻 寿夫ウェスティンホテル東京 総料理長
高橋 義幸帝国ホテル東京 調理部長
曽我部 俊典横浜ベイホテル東急 総料理長
中宇祢 満也浦和ロイヤルパインズホテル 総料理長
河野 透レストランモナリザ オーナーシェフ
西口 章二ホテルニューオータニ 西洋料理 料理長
佐野 文彦大津プリンスホテル 洋食料理長
柏木 健一ホテルグランヴィア大阪 料理長
下村 康弘(株)オリエンタルランド フード本部マスターシェフ

パリ・ファイナルに於ける歴代日本人入賞者

1984年優勝堀田大氏(東洋軒、東京都)
1994年3位佐野文彦氏(大津プリンスホテル、滋賀県)
2001年3位中宇祢満也氏(浦和ロイヤルパインズホテル、埼玉県)
2002年3位佐藤浩氏(浦和ロイヤルパインズホテル、埼玉県)
2003年3位柏木健一氏(ホテルグランヴィア大阪、大阪府)
2008年2位下村康弘氏(株式会社オリエンタルランド、千葉県)
2010年3位大和幸義氏(帝国ホテル東京、東京都)
2013年3位鎌田英基氏(帝国ホテル東京、東京都)
2014年3位川本善広氏(ホテルグランヴィア大阪、大阪府)
(所属は当時のものです)

優勝者は、今年11月23日に行われるコンクール・アンテルナショナル(パリ)へ参加を兼ねて配偶者と共に招待されます。

ル・テタンジェ国際料理賞コンクールは49年の歴史を持ち、この間数多くの優れたシェフを輩出してきました。日本においては一時中断もありましたが、毎年定期的に開催し続けている国際料理コンクールに直結した日本で唯一のフランス料理コンクールとして高く評価されています。

*このコンクールは明確な2段階をもつコンクール、つまり参加各国でのコンクールは予選ではなく各国のル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ナショナル(参加各国名)であり、その優勝者がパリに集まって行うものがル・テタンジェ国際料理賞コンクール・アンテルナショナルです。

国際ファイナル・コンクール(パリ)

今回は、実技審査料理ピジョノー・オ・サン、課題料理はウフ・グリエ・ア・ラ・ディアブルともにキュイッソンが大きく影響するテーマだった。

  • 仔鳩の作品はファイナリスト全員がファルスをしていたが、主客転倒、仔鳩をさらに美味しくするためのものが、逆に、仔鳩を感じさせない料理になっていた。ファルスのキュイッソンを気にしたのか、温度を上げきれずファルスが分離したり、火の通リが弱かったりで旨味を出し切れず、小鳩もセニャンに仕上がり味の凝縮が行われず風味のない物が多く見られた。個々のガルニテュールは良いものが多かったが、主役と合わないものも見られた。単独ならば大きな評価ではあったが。
    ソースは、味は良いけれども、香りが立ち上るものが少なかった。
  • 卵料理は、ポシェしたものをパネして、ブーレした紙に乗せグリエする複合調理で、ア・ポワンに仕上げるように指示した。かなり神経を使いテクニックを要する料理。黄身が固くなったり、流れ出たりした物は減点対象、ほとんどの人は出来ていたが、数人流れ出したものもあった。グリエなのに色がついてなかったものもあった。下味が不足で、卵の甘みが出ていないものもあった。卵のポシェ料理を数多く作るときは、水に取り冷まし、使うときに塩味をした温水で温めて使うが、今回の料理は、塩味をしたぬるま湯で冷まし、よく水気を拭き取りブールフォンデュ、パネ、グリエしたほうが白身も固くならず、塩もしみやすく、卵の甘みも引き出せる。グリエした卵とカイエンヌを軽く利かせたチーズ・トーストのバランス、ソース・ディヤーブル・エスコフィエのバターの量などでかなり出来上がりの料理に差が出た。プーレ・ア・ラ・ディヤーブルに使った方が良い強い味に仕上げたソースもあり、卵料理には合わないものもあった。
  • アリコ ヴェールは、塩の入った水を沸騰させたところに入れ、歯ごたえが軽く残る程度にボイルして、ザルにあけ水気を切り鍋に戻し、バターを含ませながら調味して仕上げる料理。(cuire à l’anglaise)アリコ ヴェールが、バターの中で泳いでる状態の物があった。最近、フランス料理での野菜のキュイッソンを勘違いしている人が多い。半生では、火を通した時の野菜のおいしさが出てこない。
  • 試食の時に、立ったまま、1人前を、何人かで食べ確認していることが多いが、お客になったつもりで1人1皿食べて確認することをしなければ、バランスのとれた1皿を作ることが出来ないと思っている。コース料理も同じ。
    そうすれば、バランスのとれた、ハーモニーを感じる食事を提供できると思う。
  • コンクール用の料理などはあり得ない。お客に認めてもらえる料理を作ることが大事で、審査員を、お金を払ってくれるお客様と思って、活きた料理を常に作ってほしい。
  • 規約をしっかりと読んでほしい。規約違反が多すぎた。曖昧な点は、事務局に問い合わせること。せっかくの作品がもったいない。

国際ファイナル・コンクール(パリ)

日付

2011年11月29日

参加国

7ヶ国:ベルギー/リュクセンブルグ、フランス(アンドール公国・モナコ公国含む)、日本、オランダ、スイス

  • 参加各国でのコンクール優勝者は、コンクール・アンテルナショナル (パリ)のフィナリストとして2週間前に招集状と共に一般テーマ(例:魚、甲殻類、肉、ジビエ、家禽 等…)、を受け取る。
  • コンクール前夜、法廷執行官立ち会いのもと、コンクールの明確なテーマ及び材料リストがくじで決められる。ファイナリストはその材料リストから必要な材料を選び出し、オリジナル・ルセットの料理制作にあたる。
  • 当日、各参加者は5時間以内に料理を仕上げる。

国際ファイナル・コンクールの賞

優勝者

10,000ユーロの賞金

トロフィー <エル・グスト>。
このトロフィーは本コンクールのために
ミゲル・ベッロカ氏が創作したもの

ラ・クープ・ヴァンクール
(歴代全ての優勝者の名前が刻まれた大杯)は、
後に開かれるプレスのためのデイナー
(優勝者がコンクールで作った料理を
自身の手で準備する)の時に手渡される

メダル
<ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール>
(ピエール・テタンジェの肖像が刻まれている)
彫刻家ポール・ベルモント作

第2位

カップ、4,800ユーロの賞金

第3位

カップ、2,500ユーロの賞金

出場者全員に、記念カップ及び
ル・テタンジェ国際料理賞
コンクール出場を証明し、
その結果を載したディプロムを授与

コンクールに関するお問合わせ先

<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・ジャポン
事務局 フランス文化を識る会
〒160-0023 
東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー7階
TEL:03(5937)4412 FAX:03(5937)1891