2011 PRIX CULINAIRE <LE TAITTINGER> 45

第45回 <ル・テタンジェ>国際料理賞
コンクール・インターナショナル
(パリ)結果報告

45ème PRIX CULINAIRE INTERNATIONAL LE « TAITTINGER »

第45回ル・テタンジェ国際料理賞コンクールインターナショナルが11月29日(火)にパリで行われ、同日夜ホテルジョルジュサンク(パリ)にて結果発表式が行われました。コンクールの歴史に満たされこの場所で、アマチュア・シェフの才能を賛美するために、3年目の<ル・テタンジェ>・コルドン・ブルー・コンクールの結果発表も同時に行われました。

審査委員長ジル・グジョン氏(M.O.F オーベルジュ・デュ・ピュー・ピュィ)をはじめ国際審査員は、第45回インターナショナル・ファイナルの結果を下記のように決定しました。又、日本人として史上初めて優勝(1984年、第18回ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール)した堀田大氏が、インターナショナル・コンクール審査委員として参加しました。

会場

パリ市商工会議所付属フェランディ校(フランス、パリ)

参加国

6名
ベルギー/リュクセンブルグ、フランス、日本、オランダ、スイス

受賞者

優勝

ラルス・ヴァン・ガレン
Lars Van Galen

Restaurant De Bloemenbeek
レストラン・ド・ブルメンベック
(ルトゥ、ミシュラン1つ星)

2位

ルノー・オージエ
Renaud Augier

Château des Crayères
シャトー・デ・クレイエール
(ランス、ミシュラン1つ星)

3位

バンジャマン・パティシエ
Benjamin Patissier

Restaurant La Pyramide
レストラン・ラ・ピラミッド
(ヴィエンヌ、ミシュラン2つ星)

第45回インターナショナル・ファイナル
テーマ

マルカッサン(骨付き、舟形の皿上に切り分けて盛り付ける)
Dos de marcassin français cuit sur l’os, tranché et présenté sur le bateau, 

ペイ・ド・ソー産モナリザ種ポテトを使ったガルニチュール1種
1 garniture imposée à base de pommes de terre Mona Lisa du Pays de Sault

2種のガルニチュール(自由)を添える
2 garnitures libres  

審査委員長による課題ルセット

3ラングスティーヌ、リゾット・ド・ラングスティーヌ、パルメザン添え
 3 Langoustines et leur Risotto de langoustine accompagné de parmesan 

1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作し行なわれた。

<ル・テタンジェ>コルドン・ブルー賞

<ル・テタンジェ>コルドン・ブルー賞が才能のあるアマチュアを対象に、ポテトのガルニチュールを除いたプロと同じテーマ料理(課題ルセットなし)を1人4時間)で制作し行われた。
賞は、ジェラール・ボワイエ氏(ランス、ミシュラン3つ星レストラン・クレイエールの元オーナーシェフ)より授与された。

1位ジャン‐ピエール・リッサルド氏
2位マダム・アレクサンドラ・ヴァガユー
3位マダム・エリザベット・コレ

COMMENTAIRE DU JURY

審査委員長
堀田 大氏

メイン素材の仔猪の背肉料理は、ジビエの中でも一番ジビエらしくない素材であったと思う。生後、6ヶ月前後の仔猪は獣臭もなく味も薄い。

私は、豚肉を想定してのソース、付け合せが良かったのではないかと思う。
ほとんどの作品が“ジビエ”いうことを意識し過ぎたソースを作っていた(猪の風味が生きてない)、付け合せの味の主張が強く、主役の風味が埋もれてしまっていた。
また、猪肉は肝炎、ジストマの危険があるので、à point, bien cuitに仕上げなければいけないが、出来上がりがほとんど生焼け状態の作品もあった。
指定のペイ・ド・ソー産モナリザ種のジャガイモを使ってのガルニチュールも、ジャガイモを主味に仕上げた料理が少なかった。
この作品の出来具合は、ほとんど差が無かった。

ラングスティーヌ・リゾット料理の出来具合が、順位を決めたと思う。

COMMENTAIRE DU REPRESENTANT DU JAPON

コンクール・ジャポン優勝
鎌田 英基氏

今回、自身では初めての<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクールへの参加となり、全てが初めての事ばかりで、驚きや戸惑いなど新たな体験を沢山させて頂きました。
コンクール・ジャポンでは自分の作品を何度も試作し、シェフや先輩にアドバイスを頂きキチンと準備をして臨めた事、当日の課題料理に対して普段どおりの姿勢で取り組めたことが良い結果に結びついたと思います。
コンクール・ファイナルではまず純粋に料理を作るという事よりも、そこに至るまでの準備が多くのウェイトを占めていたので、単純に料理の事だけを考えていれば良いと言う訳にはいきませんでした。
それでもフランス文化を識る会の方々、会社、先輩に沢山のサポートを頂いていたので、無事に参加することができたのだと思います。コンクール・ファイナルではこれをやりたいと言う自分のアイディアばかりが先行してしまい、食材の良さを引き出す事や全体のバランスを考えられず、自分の力の無さを痛感しました。まずは食材があっての料理なのだと言う事に改めて気付かされました。
コンクールを無事に終える事が出来一人では何もできない自分をサポートしてくれた多くの方々、家族にとても感謝しています。そして今は学べる事が山ほどあると言う喜びと、またあの舞台に立ちたいという気持ちで一杯です。