第46回 <ル・テタンジェ>国際料理賞
コンクール・インターナショナル
(パリ)結果報告
46ème PRIX CULINAIRE INTERNATIONAL LE « TAITTINGER »
第46回ル・テタンジェ国際料理賞コンクールインターナショナルが11月27日(火)にパリで行われ、同日夜シャングリ・ラ・ホテル・パリにて結果発表式が行われました。コンクールの歴史に満たされこの場所で、アマチュア・シェフの才能を賛美するために、<ル・テタンジェ>・コルドン・ブルー・コンクールの結果発表も同時に行われました。
審査委員長ジル・グジョン氏(M.O.F オーベルジュ・デュ・ピュー・ピュィ)をはじめ国際審査員は、第46回インターナショナル・ファイナルの結果を下記のように決定しました。又、日本人として史上初めて優勝(1984年、第18回ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール)した堀田大氏が、インターナショナル・コンクール審査委員として参加しました。
会場
パリ市商工会議所付属フェランディ校(フランス、パリ)
参加国
6名
ベルギー/リュクセンブルグ、フランス、日本、オランダ、スイス
受賞者
優勝
クリストフ・シュミット氏
(Christophe Schmitt)
ホテル・フーケ・バリエール レストラン・ディアーヌ
(パリ 5つ星、フランス)
2位
杉本 雄氏
(Yu Sugimoto)
ホテル・ル・ムーリス
(パリ 3つ星、フランス)
3位
ジョナサン・ザンドベルゲン氏
(Jonathan Zandbergen)
レストラン・ヘット・ヴェルヒュィ
(アルメレ、オランダ)
第46回インターナショナル・ファイナル
テーマ
2 daurades, farcis, servis en deux pièces chacune pour 6 personnes accompagnés d’une sauce ou d’un jus
à votre choix servi(e) dans une saucière
2尾のドラ-ド・ロワイヤルそれぞれにファルスを詰め仕上げる-1尾で6人前ソース又は、ジュをソーシエールに入れて出す
Deux garnitures libres pour 8personnes chacune
2種のガルニチュール(自由)を添える-8人前
審査委員長による課題ルセット
soupe de poisson de roche
スープ・ド・ポワソン・ド・ロッシュ-12人前
1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作
<ル・テタンジェ>コルドン・ブルー賞
<ル・テタンジェ>コルドン・ブルー賞が才能のあるアマチュアを対象にプロと同じテーマ料理を1人4時間で制作し、賞は、ジェラール・ボワイエ氏(ランスの3つ星、レストラン・クレイエールの元オーナーシェフ)より授与されました。
1位 | トーマス・シェイナー氏 |
2位 | マダム・アレクサンドラ・ヴァ-ガフ |
3位 | マダム・サビーヌ・ビジャッソン |
COMMENTAIRE DU REPRESENTANT DU JAPON
コンクール・ジャポン優勝
星野 義明氏
コンクール・ファイナルの現場は、他の選手たちの発する異様な熱気に包まれ、今まで体験したことのない雰囲気でした。
無我夢中に取り組んだ5時間はあっという間でしたが、かけがえのないものを得られたと感じています。
悔しい結果であることは変わりません。
しかし今の自分の持てるものすべてをぶつけたので、後悔はありません。
また、世界の舞台を目指し、次こそはいい結果が残せるよう日々努力を重ねたいと思います。
COMMENTAIRE DU JURY
審査委員長
堀田大氏
今回の国際ファイナルは6人で競われた。
(日本、ベルギー、オランダ、スイス各国代表1人、フランスから代表2名)
フランス代表2名のうち1名は、パリ地区代表 杉本雄氏でプロスペール・モンタニエの今年の優勝者、ミシュラン三ツ星のホテル・ムーリスのスー・シェフ。
調理師学校卒業後、東京の帝国ホテルで6〜7年間勤め渡仏し8年目とのこと。
今年こそ日本人の優勝があるかと期待していた。
審査後、杉本氏の提出番号を聞いたとき、私の評価では微差で第1位だったので発表を期待したがまたも2位で終わった。
もう1名は優勝者のクリストフ・シュミット氏で、パリ・シャンゼリゼにあるホテル・フーケ・バリエールのレストラン・ディアンヌのシェフ。リヨン地区代表(パリ地区の審査員に関係者がいた為リヨン地区大会に参加)として参加しての快挙。
審査員長の課題ルセット:前記を参照
ガーリックトースト、ルイユ、チーズが添えられた南仏海岸料理でなく、高級レストランの料理に仕上げられていた。
タスの縁に合わせパートを焼き、その上に飾り付けをしたり、Oeufs à la neige にルイユを詰めスープに浮かべたり幅広い演出が素晴らしかった。
インターナショナル・ファイナルテーマ:前記を参照
まず、2週間前に発表される一般テーマの解釈が幾通りにも考えられ、フランス人審査員に聞き初めて理解できた。
2尾の鱗のある海の魚、2枚のフィレ(2尾だったら4フィレではないか? 2種の魚で半身ずつなのか?)、2つのピエス、各ピエスを6人前に仕上げるとのこととは?
前日知人のフランス人シェフに問いかけたら、2枚のフィレに卸す鱗のある海の魚で、1尾6人前だから小さめの鯛、鱸などで、4枚のフィレに卸すサンピエール、ヒラメ等は含まれない。という事だった。
コンクール 前夜、選ばれた封筒の中に書かれていたのは、Daurade royale2尾だった。
別の封筒にはスズキが主材料として書かれていた。
過去数回、「ファルスをして」の指示が多い。メインの食材を理解して、存在感を出し風味を補強する組み合わせ、多すぎずバランスのとれたファルスをした作品が順当に入賞している。
鯛の味に同化してしまうような白身のムースを多めにファルスしたものなどは味にメリハリがなく、食べていて飽きが来るようで評価できなかった。1位、2位の作品は、鯛を最高に美味しく食べさせてくれた素晴らしい料理だった。
いつも言っているが、コンクールの為だけの料理はあり得ない。
審査員をレストランに来たお客様と思い、お客様が満足できる料理を作るべく、日ごろの積み上げた力と技術の発表の機会だと思ってチャレンジした参加者が、グラン・プリに選ばれると常に感じている。
無駄なことはしないで、「主品」をより良くする必然性のある材料の使い方、調理の仕方をしてもらいたい。