フランス文化を識る会は、フランスで9番目の芸術(9ème Art)と呼ばれるフランス・ガストロノミーを通した日仏文化交流を、1969年以来毎年行っています。

コンクール|フランス文化を識る会
〜Association de la Culture Francaise〜

第44回 <ル・テタンジェ>国際料理賞2010コンクール・ジャポン

主 催
<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール実行委員会
COMITE D’ORGANISATION PRIX CULINAIRE
INTERNATIONAL<LE TAITTINGER>

協 力
シャンパーニュ・テタンジェ社
日本リカー株式会社

事務局
フランス文化を識る会

21世紀の<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール

<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクールの実行委員会及び審査委員会の最も重要な使命は、偉大なフランス伝統料理の原則を守り、かつ広めていくことにあります。そして、その役目を担うグラン・シェフ達は、伝統あるフランス料理を今日さらに豊かに充実させる多彩な各国文化の影響も歓迎しています。

それ故に<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクールは、今日明確な2段階の審査を持つコンクールとして構成されています。

第1段階:<ル・テタンジェ>国際料理賞 コンクール・ナショナル(参加各国名)と称される、参加各国に於けるコンクール。日本での優勝者は<ル・テタンジェ>国際料理賞 コンクール・ジャポン第一位の栄誉が与えられます。

第2段階:<ル・テタンジェ>国際料理賞 コンクールと称される国際コンクール。
各国に於けるコンクールの優勝者及びフランス国内決勝の優勝者をパリに集めて開催されます。
優勝者は国際審査委員会によって<ル・テタンジェ>国際料理賞 コンクール第一位と宣言されます。

第44回目を迎えるに当たり、<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクールはフランス料理の偉大なる巨匠達への敬意とその精神において使命を全うする意志を改めて宣言します。

参加国(予定):ベルギー/リュクセンブルグ、フランス、イタリア、日本、オランダ、スイス

コンクール・ジャポン参加概要

予選
書類選考
参加登録申込書類オリジナル・ルセットの提出期限 (郵送のみ)
2010年7月28日(水)までに事務局に必着
ファイナル
実技選考
2010年8月31日(火)
(予選に提出したオリジナル・ルセットと課題ルセットの実技)
■参加費:無料
■参加資格:
  • 本規則はパリの法廷執行官 ポーペール・リエヴァン事務所に提出されており、氏がコンクールの合法性を監視するものである。)
  • 職歴8年以上を有し、24才以上39才(2010年11月30日時点)までの、一般客が利用するレストランで働いているプロの料理人。
  • 参加者は自身の国籍を保有する国において参加すること。
  • 各レストランもしくは各企業から参加できるのは一人のみとする。
  • 複数の事業所を持つ企業は、各事業所から一人のみとする。

*以下の者は対象外とする。
-前回までの<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール(パリ)の優勝者。
-ホテル学校や調理師学校の教授(一般客が利用できる実習用レストランを併設しているホテル学校や調理師学校でも不可)

最終審査結果

コンクール・ジャポンの第1次審査(書類選考)は8月3日に行われ、全国から8名が選ばれ、東京調理師専門学校(新宿)で8月31日に行われた最終審査(ファイナル実技審査)に臨みました。

8名の参加者は2点の料理を5時間で制作し、コンクール・ジャポン最終審査は<ル・テタンジェ・コンクール>国際規約にのっとって行われました。

コンクール・ジャポン2010最終選考の厳正な審査の結果は、以下の通りです
  • 優勝:大和 幸義 帝国ホテル東京(東京都)
    ルセット
  • 2位:繁田 正人 ホテルオークラ東京(東京都)
  • 3位:浜田 統之 ホテルブレストンコート(長野県)

コンクールの賞

第1位:

第1位のディプロム、第1位のカップ、シャンパーニュ・テタンジェ(マチュザレム)
副賞として2,400ユーロ相当の小切手

第2位:

第2位のディプロム、第2位のカップ、シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

第3位:

第3位のディプロム、第3位のカップ、シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

*ファイナル実技審査の出場者で第1位〜3位以外の者全員に、第44回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・ジャポンのファイナリストを証明するディプロム、シャンパーニュ・テタンジェ(ジェロボアム)

ファイナル実技審査内容

  • 第1次審査(書類選考)に提出したオリジナル・ルセット
    2バロン・ド・ラプロー・ファルシ(各々約1.3kg フォワ、テット、ロニョン付き)
    (キュイスとラーブルは切り離さず、アンテイエールで出すこと)
    シャンピニョンを使った1種のガルニチュールと2種のガルニチュール(自由選択)、ソーシエールに入れた、1種のソース又は1種のジュを添える。

    *料理の盛付け:自由、長方形のプラター(約60×40cm)に盛りつけること。
  • 課題ルセット
    ルージェ・オ・サフラン
    *作り方はギッド・キュリネール(エスコフィエ)に準じます。
    実技試験当日、ルセットを発表した

コンクール・ジャポン最終審査結果は、シャンパーニュ・テタンジェ社当主エマニュエル・テタンジェ氏同席のもとに8月31日セルリアンタワー東急ホテルで行われた発表式で発表され、以下の授与が執り行われました。

最終審査(ファイナル実技審査)に望んだ8名のリスト

前川 顕(マエカワ ケン)レストランみつ和GINZA(東京都)
大和 幸義(オワ ユキヨシ)帝国ホテル(東京都)
杉山 知弘(スギヤマ トモヒロ)浦和ロイヤルパインズホテル(埼玉県)
市原 宏文(イチハラ ヒロフミ)大阪新阪急ホテル(大阪府)
塩貝 龍太(シオカイ リュウタ)ホテルグランヴア大阪(大阪府)
浜田 統之(ハマダ ノリユキ)ホテルブレストンコート(長野県)
繁田 正人(ハンダ マサト)ホテルオークラ東京(東京都)
志賀 高幸(シガ タカユキ)東京プリンスホテル(東京都)

第44回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・ジャポン審査委員名

審査委員長

堀田 大(株)マンジュトゥー 代表取締役

1984年、<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール(パリ)に、日本人として初めて参加し初めて日本人として初めてグラン・プリを獲得

実技審査
大溝 隆夫レストラン・ボルドー 代表取締役
岸 義明ホテルインターコンチネンタル東京ベイ 執行役員総料理長
伊佐 武二ホテルニューオータニ 最高料理顧問
田中 健一郎帝国ホテル 取締役総料理長
大庭 巌ホテルオ-クラ東京 洋食調理顧問
福田 順彦セルリアンタワー東急ホテル 副総支配人総料理長
マチュー・トサック㈱富士物産 製品開発室長
フィリップ・バットンプチ・トノー 代表取締役
ベルナール・アンクティルコルドン・ブルー 教授
ドミニク・コルビレストラン ル・シズィエム・サンス エグゼクティブ・ディレクター
書類審査
斉藤 裕之マキシム・ド・パリ 総料理長
林 和広帝国ホテル 調理部長
沼尻 寿夫ウェスティン東京 総料理長
小山 英勝ストラスブール オーナーシェフ
曽我部 俊典パンパシフィック横浜ベイホテル東急 総料理長
柏木 健一ホテルグランヴィア大阪 料理長
中田 肇ホテルオークラ東京 執行役員洋食調理総料理長
中宇祢 満也浦和ロイヤルパインズホテル 総料理長
西口 章二ホテルニューオータニ 宴会料理長
渡辺 雄一郎シャトーレストラン ジョエル・ロブション エグゼクティブシェフ

パリ・ファイナルに於ける歴代日本人入賞者

1984年 優勝 堀田大氏(東洋軒、東京都)
1994年 3位 佐野文彦氏(大津プリンスホテル、滋賀県)
2001年 3位 中宇祢満也氏(浦和ロイヤルパインズホテル、埼玉県)
2002年 3位 佐藤浩氏(浦和ロイヤルパインズホテル、埼玉県)
2003年 3位 柏木健一氏(ホテルグランヴィア大阪、大阪府)
2008年 2位 下村康弘氏(株式会社オリエンタルランド、千葉県)

(所属は当時のものです)






第44回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール インターナショナル(パリ)結果報告

第44回テタンジェ国際料理賞コンクールが11月30日(火)にパリで行われ、同日夜ホテル・ルテシア(パリ)で結果発表式が行われました。コンクールの歴史に満たされこの場所で、アマチュア・シェフの才能を賛美するために、2年目の<ル・テタンジェ>・コルドン・ブルー・コンクールの結果発表も同時に行われました。

審査委員長レジス・マルコン氏(クロ・デ・シーム、3ツ星)をはじめ国際審査員は、第44回インターナショナル・ファイナルの結果を下記のように決定しました。 又、日本人として史上初めて優勝(1984年、第18回ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール)した堀田大氏が、インターナショナル・コンクール審査委員として参加しました。

参加国

7ヶ国:ベルギー、フランス、イタリア、日本、リュクセンブルグ、オランダ、スイス

参加各国でのコンクール優勝者は、国際ファイナル(パリ)のフィナリストとして2週間前に招集状と共に国際ファイナルにおける一般テーマ(例:魚、甲殻類、肉、ジビエ、家禽 等…、3種のガルニチュールを添える)を受け取る。
コンクール前夜のパーティー会場にて、法廷執行官立ち会いのもと、コンクールの明確なテーマ及び材料リストがくじで決められる。フィナリストはその材料リストから必要な材料を選び出し、オリジナル・ルセットの料理制作にあたる。
国際ファイナルでの公式言語はフランス語とする。但し組織委員会は外国人参加者が翻訳及び通訳を自由に使えるよう努める。
国際ファイナル当日、各参加者は5時間以内に料理を仕上げること。

結果は同日の夜発表され、テタンジェ社が主催するパーティーにて授賞式が執り行われる。

国際ファイナル・コンクールの賞

出場者全員に記念カップ及び<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール出場を証明し、その結果を載したディプロムを授与。
上位3位入賞者には以下の賞品を授与:

第1位:

-トロフィー <エル・グスト>。このトロフィーは、本コンクールのためにミゲル・ベッロカル氏が創作したもの。
-ラ・クープ・ヴァンクール。これまでの全ての優勝者の名前が刻まれ、授賞式の時に手渡される。この杯は優勝者を輩出したレストランに1年間展示される。
-メダル<ル・テタンジェ国際料理賞コンクール>(彫刻家ポール・ベルモント作、ピエール・テタンジェの肖像が刻まれている)
-アメリカ合衆国への1週間の旅。シャンパーニュ・テタンジェ社の代表によってもてなされる夫婦同伴の旅。優勝者はアメリカ東海岸の第一級ホテル及びレストランに3日間招待され、残りの滞在期間は観光が予定されている。

第2位:

-カップ、1週間の観光旅行(受賞者が行き先を選択、4,800ユーロ相当)

第3位:

-カップ、2,400ユーロ相当の観光旅行

国際ファイナル・コンクール受賞者

  • 優勝:デイビッド・カスタネ氏(David Castagne)フランス
    ルレ&シャト-・ラ・ピラミッド(ヴィエンヌ)
    氏は2009年のファイナリストでしたが入賞ならず、2回目の挑戦である今年に栄誉を勝ち取った。

  • 2位:フランク・メイエル氏(Franck Meyer)フランス
    ホテル・リッツ(パリ)

  • 3位:大和幸義氏日本
    帝国ホテル東京(レストランレ・セゾン)


第44回インターナショナル・ファイナルテーマ

カレ・ド・ブフ(4本付、リムーザン産)、アンティエールで盛付ける
3種のガルニチュールを添える
(2種:(自由選択)、1種:ランティーユをベースにしたもの)


審査委員長による課題ルセット
サラド・ド・サン・ジャック・オ・ドゥー・ポム

1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作し行なわれた。

第44回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクールを終えて
審査委員長 堀田様のコメント

今回の課題は、コンクール・ジャポン、コンクール・アンテルナショナル共に、一皿の中のバランスを整えるのが大変難しいメイン材料であったと思う。
コンクール・ジャポンは、2羽のバロン・ド・ラプローにファルスして脚部を切り離さずの調理。
風味の弱いラプローの味を引き立てるファルス、強すぎるとそのファルスの料理になってしまい主客転倒、また、2羽で8人分となると1人分の量が多く飽きないで一皿食べるには、皿の中のハーモニーが1番の問題だったと思う。決勝に残ったシェフたちの料理は、それらをクリアした素晴らしい料理で、日本のレベルの高さを感じた。
そして、本来あるべき姿、コンクールの為の料理ではなく、お客に食べてもらい美味しいと評価されることを目指した料理だったことが大変よかったと思う。
コンクール・アンテルナショナルは、リムーザン地方産の家畜のカレをアンテイエで使うと予告、8人分なので仔牛、子羊、豚などを想定していたら、アバラ骨4 本付の牛肉との指示、これも、そのまま焼いても日本人の感覚では12人分以上楽に提供できるくらいの量で、飽きないで一皿食べてもらうには、なかなか難しかったと思う。全ての料理が少量のファルスをしたロテイでセニャンに焼いていたが、赤ワインなどで蒸すようにポッシェし、ア・ポワンに仕上げたような料理があっても良かったかなとも思う。今回は、合計9人のファイナリスト(コルドン・ブルー含)、合わせて15品のデギュスタシオン審査をしましたが、今までで1番腹応えのあった苦しい審査でしたが、それぞれのシェフがどのように解決するのか楽しく審査でき、レヴェルの高さに満足した。

2010年12月  堀田 大

日本代表(コンクール・アンテルナショナル2010第3位)大和 幸義様のコメント

 20年間毎日料理の事を考え続け、料理を作り続けてきましたが、ここにきてやっと相手の事を思いながら料理を作れるようになってきました。
美しく、綺麗に彩られた料理は誰もが目を引く物だと思います。そういうものは誰もが憧れ、真似をしたくなるものだと思います。ただ、気持ちを伝えるのに必要な ものは見た目ではなく、本当の“気持ち”です。やはり、経験も当然必要になってくると思いますし、毎日ただ仕事をこなすだけではなく自分に問いかけながら、心をこめて料理を作ることが本当に大切だと思います。
若い世代の人たちには、伝わりにくいと思いますが、先輩方が築いてくれたものをキチンと学びながら自分が美味しい物を食べさせたい相手を考えながら、料理をする事を続けていってください。

2010年12月 大和 幸義