昔の料理コンクールの筆記問題
堀田シェフへのインタビューに関連して、当時のコンクールの予選筆記試験問題を掲載いたします。
堀田シェフが優勝したのは「第2回現代フランス料理技術コンクール」でしたが、今回の問題は1980年に行われた第1回目のコンクールである「フランス料理最高技術賞コンクール」です。
筆記問題1~2ページ目
当時はまだワープロもなく、タイプライターで作成していました。
3~4ページ目
タイプライターで打っているのに手書きの修正があったり、印刷が曲がっていたりと当時の機器の精度が時代を物語っていますね。
出題されていた問題は・・・
1,料理人の身につける白い上着は清潔さと衛生的という象徴である。
はい いいえ (いづれかに〇)
2,良い料理人は、肉の部位を見分けられなければならない。シャートーブリアンについて知っていることを述べよ。
3,次に述べるソースの正しい作り方を線で結べ。
A: ソース・マデール(Sauce Madère)
B: ソース・シュプレーム(Sauce Suprême)
C: ソース・モルネー(Sauce Mornay)
D: ソース・ショーロン(Sauce Choron)
イ: 家禽のヴルーテにたっぷり生クリームを加えたもの
ロ: ソース・ベシャメルにおろしたグリュイエールチーズとバターを加えたもの
ハ: ソースベアルネーズにトマトを加えたもの
ニ: トゥミグラス又はエスパニョールにマデラ酒を加えたもの
4,ジャガイモのピューレを仕上げるには、熱い牛乳とバターを加えるがその順番は?
バターがさき 牛乳がさき (いずれかに〇)
5,ソース・ペリグー(Sauce Periguex)とソース・ペリグールディーヌ(Sauce Perigourdine)の違いを述べよ。
6,ソース・ベシャメル(Sauce Bechamel)の作り方を述べよ。
7,ソース・オランデーズ(Sauce Hollandaise)の作り方を述べよ。
8,ソース・ベアルネーズ(Sauce Béarmaise)の作り方を述べよ。
9,クール・ブイヨン(Court Bouillon)の作り方を述べよ。
10,“フォン・ブラン”(Fond Blanc)とはなにか述べよ。
11,ポム・ドーフィヌ(Pommes Dauphines)の作り方を述べよ。
12,トリュイット・オ・ブル(Tyuite au Bleu)について述べよ。
13,パータ・シュ―(Pâte à Choux)の作り方を述べよ。
14,ソース・アングレーズ(Sauce Anglaise)について述べよ。
15,ジェノワーズ(Gênoise)について述べよ。
16,フランスにおけるクリスマス用の伝統的なケーキの名前をあげよ。
17,フランスのチーズの主要なものを6つあげよ。
18,ロックフォールは次の動物のうちどの乳でつくられるか?
牛 山羊 羊 (いづれかに〇)
19,ペリゴールの有名なトリュフは、次に述べる木のいづれに共生するか?
柏の木 ぶなの木 杉の木 (いづれかに〇)
20,トリュフの収穫は1年のうちどの時期のおこなわれるか?
6月~9月の間 12月~2月の間 (いづれかに〇)
21,フレッシュのフォアグラは1羽分につき約何グラムか?
22,料理人のかぶる白帽子の発明者は?(いづれかに〇)
オーギュスト・エスコフィエ アントナン・カレーム ユルバン・デュボア
23,フランスは素晴らしいぶどう栽培地に恵まれており、各料理はワインとの組み合わせにより、一層味がひきたち、美食を語るにはワインの存在は不可欠のものである。さて、フランス国内における主要なワイン生産地を、4つあげよ。
皆様、いかがでしょうか?全問正解できますか?
このコンクール、料理の他に同時に
「フランスワイン・サービス技術特別講習会」「フランスワイン・ソムリエ最高技術賞コンクール」「フランスワイン・チーズ説明会」も開催してました。
当時、この予選を勝ち抜いた12名が本選(口頭試問と実技)に挑みました。優勝者の賞はフランス料理最高技術協会のメダルとフランスへの研修旅行招待。優勝者がテタンジェ社主催の料理賞コンクールに日本代表者として参加できたのは、この年から4年後、1984年のことでした。
この予選問題の模範解答はこちらです。→昔の料理コンクールの筆記問題<模範解答>